ゴールドマン・サックスは、AI関連企業の上場ラッシュを背景に、2026年の米国IPOによる調達額が1600億ドルに達し、過去最高を更新すると予測している。この見通しは、OpenAIがSECに秘密裏にS-1を提出し、9月のIPOで評価額8520億~1兆ドルを目指していることや、SpaceXが年内に1.75兆ドルの評価額で750億ドルを調達する計画であることを受けたものだ。また、Anthropicは5月下旬の資金調達ラウンドで9650億ドルの評価額に達した。一方、暗号資産(仮想通貨)は苦戦しており、ビットコインは過去1年間で40%下落。米国のスポットビットコインETFは、2024年6月第1週だけで17億ドルの資金流出を記録し、それ以前の13営業日で44億ドルの流出が続いていた。
IPOパイプラインが活発化
ゴールドマンの1600億ドルという予測は、2021年に記録した過去最高の1430億ドルを上回るものだ。同行の株式資本市場チームは、機関投資家によるAIやテクノロジー銘柄への強い需要をその要因に挙げている。OpenAIの9月のIPOは最も注目されており、ChatGPT開発元は9桁(億単位)の評価額を確定しようとしている。SpaceXの上場は、1.75兆ドルという評価額で、民間企業としては過去最大となる可能性がある。Anthropicの直近ラウンドでの評価額が1兆ドル近くに達したことは、市場全体の資金移動にもかかわらず、投資家が依然としてAIラボに資金を投じていることを示している。
暗号資産が圧力を受ける
暗号資産との対比は顕著だ。ビットコインとナスダック100の相関係数は、ETF承認などの機関投資家向けの節目を経て2024年に0.87でピークに達したが、AI株が過去1年で170%上昇する一方でビットコインが40%下落したため、その連関は崩れた。最大のスポットビットコインETFであるブラックロックのIBITは、2024年5月28日に5億2800万ドルの単日引き出しを記録。これは同商品発足以降で最大級の流出額だ。2024年6月第1週には、米国の10本のスポットビットコインETFから17億ドルが流出し、投資家が株式に資金をシフトしたことを示唆している。
待機資金は潤沢
米国のマネーマーケットファンドには約8兆ドルが眠っており、これはIPOラッシュと暗号資産の回復の両方の原動力となり得る。しかし、これまでのところ、その資金はデジタル資産ではなくAIや半導体株に流れている。ビットコインにとって次の試練は、2026年下半期にIPOカレンダーが埋まっていく中で、暗号資産がAIブームに対抗するストーリーを提示できるかどうかだ。




